日本口腔感染症学会・セミナー

(サマーカンファレンス in Kobe 2006)

開催報告

日時: 平成18年6月3日(土)
於: 神戸ポートピアホテル

 平成1863日(土)神戸商工会議所会館において、本学会のセミナー・サマーカンファレンスin Kobe 2006が開催され、教育講演と特別講演の2つの講演が行われた。

 講演に先立ち、大日本住友製薬株式会社の学術担当者より、カルバペネム系抗菌薬メロペネム(商品名メロペン)が紹介された。本剤は、幅広い抗菌スペクトルと強い抗菌力を示し、重篤な歯性感染症や遠隔臓器におよぶ術後感染症に対して優れた臨床効果を発揮すること、特に緑膿菌に対する感受性が高いことなどが説明された。

 教育講演では、山口大学医学部附属病院薬剤部の尾家重治助教授に、エビデンスに基づいた感染対策について詳しく説明していただいた。6年前の感染症法の改訂から、手術器具などの洗浄は消毒薬よりも熱水を用いるのが主流となり、そのエビデンスとしては80℃以上の熱水を用いるとMRSAなら5秒で殺菌され、ウイルスなら1分間で死滅することが解説された。他にもホルマリンや紫外線は発癌性が高く危険なこと、歯科ユニットの滅菌フィルターを通過した滅菌水は残留塩素がなくなるために菌の繁殖がおこりやすいことなどが指摘され、今まで習慣的に行われてきた院内感染対策を見つめ直すことが必要と考えられた。

 特別講演では、神戸大学医学部附属病院手術部・感染制御部の荒川創一部長より、性感染症(STD)の現状について講演をしていただいた。近年、10代から20代の若い女性の咽頭粘膜のクラミジア感染率が増加していることや、AIDSの口腔症状はCD4リンパ球の減少とともに舌毛様白斑、カンジダ症、カポジ肉腫、壊死性潰瘍性歯肉炎と変化していくことなどが解説された。梅毒やAIDS患者の口腔所見を多くの病態写真で示され、歯科医師にとってもSTDは身近な問題であることが再認識できた。

 今後も口腔感染症や院内感染対策をテーマに、日常の診療に有益な内容でセミナーを開催していく予定ですので、多数のご参加をお待ちしております。

(日本口腔感染症学会編集委員 古土井春吾)