|
口腔感染症学会・セミナー開催報告
平成19年5月26日(土)神戸チサンホテルにおいて、本学会のセミナー・スプリングカンファレンスin Kobe 2007が184名の参加者をもって盛況に開催され、教育講演と特別講演の2つの講演と院内感染予防対策認定制度の概要説明が行われた。
教育講演では、厚生労働省医政局歯科保健課歯科医師臨床研修専門官の杉戸博記先生に、「歯科診療所における医療の安全の確保―医療法の改正を受けてー」というタイトルで、行政の立場から医療法の改正と歯科診療所における医療安全の課題について詳しく説明していただいた。本年4月1日より医療法の一部が改正され、無床診療所や歯科診療所を含む全ての医療機関に、@医療安全の確保、A院内感染対策、B医療品安全確保、C医療機器安全確保について、指針の作成、委員会の設置、職員研修、報告制度などが義務付けられた。特に院内感染対策について要求されている内容は、院内感染対策マニュアルの文書化や院内感染発生時の対策、職員に対する年2回程度の研修の実施など、本学会認定制度の認定要件とほぼ合致するものであった。従来の医療安全管理は個々の医療従事者の責任や努力に依存してきたが、“人は過ちを犯すもの”であり、医療事故を防ぐためのシステム化した対策が必要であることが認識できた。
特別講演では、兵庫医科大学感染制御学の竹末芳生教授より、「えっ!こんなに違う欧米と日本の手術部位感染対策」というタイトルで、欧米との違いを含めて術後感染予防の最新の考え方、グローバルスタンダードについてお話いただいた。外科手術における抗菌薬予防投与期間について、米国では3日間(術後2日目)までの投与が全体の85.8%であるのに対して日本では30.4%であることや、4日間(術後3日目)以上の投与により耐性菌感染が増加するなどのデータが紹介された。また、今まで慣習的に行われてきたブラシを用いた手洗いやカミソリによる除毛は、皮膚を傷つけやすく、損傷部に逆に細菌を増加させてしまうなど、エビデンスに基づいて“慣習的な医療の壁を壊す”ことの重要性を再認識できた。
最後に、本学会の院内感染予防対策認定制度委員会の委員長である連利隆副理事長より、院内感染予防対策認定制度の概要説明が行われた。認定制度策定の意義や経緯、認定医制度および認定歯科衛生士制度の規則・細則、申請書類の提出期間(毎年3月1日〜31日、9月1日〜30日)、申請の際の注意点などについて説明がなされた。
今後も口腔感染症や院内感染対策をテーマに、日常の診療に有益な内容でセミナーを開催していく予定ですので、多数のご参加をお待ちしております。
(日本口腔感染症学会編集委員 古土井春吾)
|