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平成16年5月29日(土)、神戸ポートピアホテルにて本学会のセミナー・スプリングカンファレンスin Kobe 2004が昨年に引き続き「口腔感染症と院内感染対策」をテーマに100余名の参加者をもって開催され、教育講演と特別講演の2つの講義が行われた。
講演に先立ち、藤沢薬品工業株式会社の学術担当者より今年認可された新しいケトライド系抗菌薬であるテリスロマイシン(商品名ケテック)が紹介された。本剤は、歯性感染症の検出菌に対して強い抗菌力を有していることはもちろんであるが、耐性菌がみられないことから他の抗菌薬が無効の場合に切り札的に使用できるのが大きな特徴で、1日1回の服用で効果を示すことも使いやすい点であることなどが解説された。
新しい抗菌薬は向こう10年間、世に出ないといわれている。そのため、我々臨床家は今ある薬剤の耐性菌を増やさないように大切に使っていく必要がある。この観点から、足利赤十字病院口腔外科の山根部長には口腔感染症の豊富な治療経験を元に、抗菌薬を耐性にしないために歯科医師が守るべきことについて、外科的療法の注意点も含めて教育講演をしていただいた。耐性菌を出さないための重要点として、第一に最初に使用する抗菌薬は抗菌力や移行性の面で最も信頼される薬剤を選択すること、第二に必要十分な量を投与することが強調されたが、その一方で決して薬剤だけに頼らず必要であれば適切な時期に躊躇せずに確実な外科的排膿(切開)を行うことが肝要であることも指摘された。
特別講演では、姫路日赤病院第三内科の奥新部長にわかりやすく肝炎や肝硬変の本態について説明していただいた。C型肝炎の肝臓内で、ウイルスと生体がどのような戦いをしているのかという観点から、肝機能を適切に評価していくには単に肝臓が破壊された際に放出される酵素・GPTの数値にとらわれるのではなく、血小板や凝固因子の量などの推移に注目すべきであることが強調された。また、肝臓の良し悪しを臨床的に評価するうえで、黄疸、手掌紅斑や蜘蛛状血管腫(前胸部)の有無の確認が非常に有用であることを指摘され、肝機能障害のある患者さんの歯科治療においても十分活用できる方法として再確認された。
今後もさらに充実した内容でセミナーを開催して参りますので、どうぞご期待ください。多数のご参加をお待ちしております。(日本口腔感染症学会専務理事 吉位 尚) |