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第16回日本口腔感染症学会総会 開催報告
(学会事務局)
第16回日本口腔感染症学会総会・学術大会は、東海大学医学部外科学系口腔外科の金子明寛教授を総会長として平成19年11月10日(土)、横浜市(はまぎんホールヴイアマーレ)において163名の出席者をもって盛大に開催されました。
総会では次々期(平成21年度)総会長候補に足利赤十字病院口腔外科の山根伸夫部長が推薦され、承認されました。
学術大会では教育セミナー、院内感染予防対策認定医講習会、院内感染予防対策認定衛生士講習会が企画され、7題の一般演題および4題の要望演題の講演が行われました。
教育セミナーでは、大阪大学医学部附属病院感染制御部・臨床検査部の浅利誠志先生により「SFTD-KYK方式による職員感染対策教育―感染対策知らずして病院で働くなかれ―」と題する、見て(see)・感じて(feel)・考えて(think)・行う(do)感染予知訓練法(KYK)を用いた感染対策の講演が行われました。標準予防策や感染経路別予防策を徹底することの重要性、日本の感染防止対策の矛盾点、今春の成人麻疹の大流行を振り返っての反省点などを、聴講者に質問して考えさせる形式で解説していただきました。「HIV患者の血液が目に入ったらどうするか?」などの質問を聴講者に問いかけて参加させることで、集中力を切らすことなく聴講でき、実践の場での臨機応変な感染対策法を学ぶことができました。
院内感染予防対策認定医講習会では、神奈川歯科大学客員教授の池田正一先生に「HIV/AIDSの歯科診療」と題して、HIV感染症に対する治療法の進歩やHIV感染者に対する歯科診療の問題点などを詳しく解説していただきました。HAART療法(多剤併用療法)を中心とした治療法の進歩によってHIV感染者は20年、30年と長く健康的に生活できるようになり、健康維持の一環として包括的な歯科管理が重要であること、実際のHIV感染者の歯科診療において注意する事項、2003年に改定されたCDCの院内感染予防ガイドラインに基づく感染対策法などが、多くのデータや症例写真とともに示されました。
また、院内感染予防対策認定歯科衛生士講習会では、神戸常盤大学短期大学部(仮称)口腔保健学科准教授予定者の溝部順子先生および小森歯科医院主任歯科衛生士の内田きよみ先生による講演が行われました。溝部順子先生は「歯科診療所における院内感染予防対策とスタッフ教育」と題して、実際に針刺し事故が起こったときにどのような手順で対処し、事故処理や文書作成を行うかなどについて、マニュアルがあるだけでなく、シュミレーションを行うことの重要性を説明されました。また、改定されたガイドラインでは「唾液は感染源であり、滅菌できない診療域はラッピングを行う」と提言されており、簡便なラッピングテクニックとその応用の考え方が紹介されました。内田きよみ先生は「医療安全から見た感染対策」と題して、まず、神奈川県歯科医師会の感染予防対策に対するアンケート結果から、歯科医院の医療安全対策の現状を示されました。さらに、勤務する小森歯科医院における院内感染防止マニュアルや具体的な対策法を紹介され、マニュアルには実際に携わる歯科衛生士が作成段階より積極的に関わることが重要であると説明されました。
今回の総会は2006年11月に制定された院内感染予防対策認定制度が施行されてはじめての総会ということもあって全国より多くの歯科医師、歯科衛生士が参加され、熱気あふれる学術集会となりました。
尚、大会終了後には、第56回ICD講習会「最新の口腔ケアの考え方とは」が同会場で開催され、東京歯科大学市川総合病院歯科・口腔外科の前田愛先生、東京歯科大学歯科衛生士専門学校の多田美穂子先生、兵庫医科大学歯科口腔外科の岸本裕允先生、国立感染症研究所細菌第一部の泉福英信先生、国立保健医療科学院口腔保健部の花田信弘先生の講演が行われました。
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