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今回のシンポジウムは、 本来、 「歯性」 病巣感染がテーマであるが、 本講演においては、 歯性病巣感染としても発症し得る 「口腔隣接領域の病巣感染」 としての位置づけをもって提示させて頂くことを予めお許し願いたい。
掌蹠膿疱症 (palmoplantar pustulosis, PPP) は、 手掌および足蹠の掻痒感と共に、 水疱、 膿疱、 落屑を生じ、 数年に及び緩解と再発を繰り返す無菌性の難治性疾患である。 本症の病態に関しては不明な点が多いが、 発症過程における歯周炎、 扁桃炎などによる病巣感染および歯科用金属アレルギーの関与が指摘されている。 また本症の約10%に掌蹠膿疱症性骨関節炎 (palmoplantar pustulotic arthro-osteitis, PAO) の併発が認められるとされ、 SAPHO (synovitis, acne, pustulosis, hyperostosis, osteitis) 症候群の一分症として認識されている。 また PAO に関連してびまん性硬化性骨髄炎 (diffuse sclerosing osteomyelitis, DSOM) の発症に至ることがある。 本講演では、 PPP を発症後、 PAO と共に下顎骨 DSOM が認められた症例を通して、 PPP における病巣感染と SAPHO 症候群の一環として随伴する DSOM について、 病態上から検討していきたい。
[症例の概要] 21歳、 女性。 1991年4月、 手掌および足蹠に黄色調の膨疹を発症 (近皮膚科で PPP の臨床診断)。 数日後腰部痛を発症し、 本院整形外科紹介受診により PAO と診断。 同年7月、 下顎骨左側骨体部に自発痛を認め、 同12月から腫脹を伴う自発痛増強に加え、 腰部の腫脹がみられたため、 当科を紹介受診となった。 PPP に基づく PAO+慢性下顎骨骨髄炎の臨床診断のもとに生検を施行。 下顎骨 DSOM の病理診断を得た。 1992年5月、 病巣掻爬術および皮質骨除去術の施行により、 約1カ月後に PPP の消退とともに下顎部腫脹の軽快をみた。 しかし、 約2年後、 扁桃炎を契機に PPP の再発を認め、 扁桃摘出術施行により現在比較的良好な経過を得ている。
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