「第10回総会を終えて」

10回 日本口腔感染症学会総会総会長

神戸大学大学院医学系研究科器官治療医学講座顎口腔機能学分野教授

古森孝英

  「口腔感染予防研究会」は、主に兵庫県を中心とした大学および病院歯科勤務医と開業歯科医師により構成されており回を重ねてまいりましたが、発足以来10年目を迎えた平成13年4月より、さらに全国的に口腔に関わる種々の感染症の治療や予防について検討していくために、「日本口腔感染症学会」と名称が変更されました。そして名称変更後、初めての総会となる第10回日本口腔感染症学会総会を平成13年11月17日、新神戸オリエンタルホテルにて開催させていただきました。 本総会は学会となって初めての、また研究会から通算して10回の記念総会となるため、特別講演、ランチョンセミナー、シンポジウムの他に、広く一般演題も募集いたしました。 特別講演は、千葉大学大学院医学研究院先端応用医学講座臨床分子生物学教授の丹沢秀樹先生に「重症歯性感染症;下行性壊死性筋膜炎の管理と治療の実際」との演題でお願いし、対応に苦慮する重症歯性感染症に関して、挿管による呼吸管理法、頚部切開法および開胸法とそのタイミング、縦隔・胸隔ドレナージなどを先生のご経験に基づいてわかりやすくご講演いただきました。 ランチョンセミナーでは、杏林大学第一内科助教授の河合伸先生に「肺炎の重症化と生体因子」との演題でお願いし、きわめて重要な疾患の一つである肺炎の重症化因子としての生体反応についてお話しいただきました。

 シンポジウムは、「実態調査を踏まえて;今求められる口腔感染症治療」というタイトルで、大学、病院歯科、開業とそれぞれの立場の5名のシンポジストの先生方にご講演とご討論をお願いしましたが、座長をお勤めいただいた西神戸医療センターの大西正信先生の適確な進行とまとめでたいへん有意義なものとなったと思っております。一般演題につきましては、近畿のみならず、東北、関東、中部、中国と広い範囲から、また口腔外科、歯科保存といった医師サイドだけでなく歯科衛生士会からもご発表をいただき、それぞれ熱心なご討論が行われ、この分野の重要性また関心の高さを再認識いたしました。以上の本総会でのご講演やご討論が、今後の皆様の臨床や研究に役立つものになれば幸いに存じます。当日は200名を越える皆様にご参加をいただきました。また、総会の運営に際しては教室員以外にも各方面から多大なご援助、ご協力を賜りましたことを改めて御礼申し上げます。